今日のわたしは何たべる? vol.13 お腹を温める食べ物

今日、今、ひとつ。

今たべるものが明日のわたしをつくるもと。自分の心と身体にきいてみて、今日のひとつを選んでみる。ねえ、わたし。何たべたい? その問いに薬膳の観点から答えます。

寒さでお腹も冷えていませんか?

〜今日のわたしの声〜

寒い季節になるとお腹がゆるくなる。そんなに暴飲暴食してる感じはないのにな、といつも食べたものを振り返る。運動不足は確実。寒いと動きたくない。何だか体が縮こんでるぞと思いながら家でパソコンにむかっているのが日常になっている。ちょっとは動かないといけないよね、、と今日も反省しながら。


■今日のテーマは 胃を温める食べ物を知る

温かい飲み物や、生姜や唐辛子、シナモンなどのスパイスは身体を温めますが、食材それぞれにも身体を冷ましたり温めたりする作用があります。

食べ物の持つ身体に与える作用の性質で、強く冷やすものから強く温めるものまで「寒」「涼」「平」「温」「熱」と五段階的に薬膳では表現されます。薬膳の考え方のベースである陰陽論や五行論に沿って分類されています。

ちなみに、寒と涼は『陰』に属し、温と熱は『陽』に属していますが、平はそれらがあまり顕著ではなく作用も緩和ではあるものの、食材により陰陽のどちらかに属しています。よく口にする食材がどの性質を持つのかを知り、冷やす、温めるを意識してみると体質改善にも繋がります。


〜わたしへのごはん〜

紅鮭と黒ごまのおむすび

鮭は胃を温める温性の食材です。あまり運動もせず体温が上がりにくい冬の時期は、胃などの働きも冷えのために活発ではなくなっているのかも知れません。身体を温める温性、熱性の食材を取り入れて献立を考えてみましょう。そして黒ごまは冬に特に摂りたい食材です。五性は「平」ですが、気や血を補います。腎の機能が弱くなる寒い時期に黒い食材を料理にプラスして。

〈材料:おむすび2個分〉

温かいご飯多めの二膳分 紅塩鮭1匹 ごま塩スティック1本(約2.8g) 大きめの紫蘇2枚 

〈作り方〉

1.紅鮭をこんがり焼き、骨を取り除き身をほぐしておく。

2.紫蘇を洗い水気を取っておく。

3.ごま塩をすり棒などですり潰す。

4.温かいご飯をボールに入れ、3をまんべんなくふり混ぜる。

5.4に鮭の身を入れざっくりと混ぜる。

6.5を二等分にして、ラップにひとつごとに分けて三角ににぎる。

7.6の形ができたら、紫蘇でくるみ、形を整えながらにぎる。


胃を温める薬:鮭

胃腸を温めて、消化機能を増進するので、胃弱、消化不良などの人に。水分代謝をよくする働きもあり、むくみの解消にも効果的です。気を補い血の巡りを良くするので、風邪をひきやすい、冷え性にもおすすめです。

アンチエイジングの薬:黒ごま

冬は黒い食べ物を意識して食べたい季節。高いアンチエイジング効果がある黒ごまもそのひとつです。更年期障害や老化による耳鳴り、めまい、足腰に力が入らない、肌や髪がパサつくといったトラブルの改善に有効です。滋養強壮作用もあるので、若白髪や便秘にも。

すりごまの方が消化に良いので、すり潰して使用してください。


わたしを整える食のアドバイザー

河村千影

はちみつ料理研究家。一般社団法人日本はちみつマイスター協会副理事長。漢方スタイリスト。養生薬膳アドバイザー。ただ甘いだけじゃないはちみつの味わいや活用法、その健康や美容への効果などを協会主催の講座やワークショップ、薬膳料理教室、カルチャーセンターで教えている。はちみつと薬膳をかけ合わせた料理を提案。

レシピ掲載『aromatopia』No156(フレグランスジャーナル社)『リンネル』2020年5月、6月号(宝島社) テレビ朝日『食彩の王国』2021年6月5日放送はちみつ特集/家庭料理担当

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