今日、今、ひとつ。
今たべるものが明日のわたしをつくるもと。自分の心と身体にきいてみて、今日のひとつを選んでみる。ねえ、わたし。何たべたい?
その問いに薬膳の観点から答えます。
“肝”をあえて冷やす
〜今日のわたしの声〜
今月から新しい職場に移り生活のリズムもだいぶ変わった。毎日覚えることがてんこ盛りで、職場の人に確認してたらあっという間に1日が終わる。家に帰ってくると、なんだかそわそわイライラして。今日もそのまま、また次の日がきちゃう感じで辛い……。
■今日のテーマは 肝を落ち着かせる季節
植物が芽を出し、土の中で眠っていた動物も目をさます春。人も植物や動物と同じように、暖かくなると外に出て活動したくなります。生活が活発になる春を穏やかに送るためには、薬膳の考え方の基本である陰陽五行では、肝(かん)を落ち着かせることが大切です。
春は肝の気が高ぶりやすい季節で、イライラもそのひとつです。
肝の働きには気と血を巡らせる、血を貯蔵する、精神を安定させる、目や筋肉に栄養を与えるなどがあります。肝の気が高ぶると、カラダの上半身に症状が現れやすくなるため、頭痛、目の充血、のぼせ、めまいが起こりやすくなったり、イライラしたりします。また、イライラするのは、入学・入社・転勤など新しい生活の中で、慣れない人間関係などのストレスが増えるのもひとつの理由です。イライラはこの季節に起こる特有の症状でもあるので、深刻に受け止めずに過ごしてみましょう。
〜わたしへのごはん〜
たけのこの梅肉和え
日々の食卓に旬の苦味野菜や酢の物を登場させて、イライラ対策を。たけのこの炊き込みご飯や山菜を天ぷら、おひたしなどで旬を楽しんだ後は、茹でたけのこと梅を組み合わせたサラダ感覚の一品を、さっと作れる箸休めに。
〈材料:作りやすい分量〉
たけのこ小ぶりのもの1/2個 梅干しの梅肉中サイズ1個 ごま油大さじ1 水大さじ1/2 しょう油大さじ1/2 刻み海苔適量
〈作り方〉
1.茹でたけのこを食べやすい大きさに切る。
2.ボールに梅肉とごま油、しょう油、水を加えてよく混ぜる。梅肉の塩味でしょう油を調整する。
3.2に1を入れ和える。
4.3を器に盛り刻みのりを散らす。
デトックスの薬:たけのこ
春が旬で苦味のある食材は、冬の間に不足した栄養を補給し、カラダの中の老廃物を外に出す働きがあります。また、肝の気を整える働きもあります。たけのこやふきのとう、菜の花などが春に積極的に食べたい旬野菜です。
ストレス解消の薬:酸っぱい梅干し
イライラするときは酸味のある食材がおすすめです。酸味のある食材は気の巡りをよくし、肝の気を整えます。ストレスが溜まっている人にもおすすめです。梅干しは整腸作用や消化吸収促進にも優れています。
わたしを整える食のアドバイザー
河村千影
はちみつ料理研究家。一般社団法人日本はちみつマイスター協会副理事長。漢方スタイリスト。養生薬膳アドバイザー。ただ甘いだけじゃないはちみつの味わいや活用法、その健康や美容への効果などを協会主催の講座やワークショップ、薬膳料理教室、カルチャーセンターで教えている。はちみつと薬膳をかけ合わせた料理を提案。
レシピ掲載『aromatopia』No156(フレグランスジャーナル社)『リンネル』2020年5月、6月号(宝島)テレビ朝日『食彩の王国』2021年6月5日放送はちみつ特集/家庭料理担当
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