今日のわたしは何たべる? vol.15舌の様子は、カラダからのサイン

今日、今、ひとつ。

今たべるものが明日のわたしをつくるもと。自分の心と身体にきいてみて、今日のひとつを選んでみる。ねえ、わたし。何たべたい?

その問いに薬膳の観点から答えます。

舌は健康のバロメーター

〜今日のわたしの声〜

洗面所の鏡の前でふと歯磨きの時に気づいたのだけど、歯の型がくっきりと舌のふちについている。何だか口の中がはれぼったい。そういえば、舌が歯形の形になっている時と、そうでない時とあるけど、何が違うのだろう。それから今日の舌はちょっと白っぽい。


■今日のテーマは 舌診について

薬膳の考え方の基礎である中医学における舌診(ぜっしん)の起源は古く、歴代の医者たちは舌の状態を重視してきた歴史があります。特に科学が未発達であった古代には、体内の状況を知るうえで舌診は重要な臨床的意義をもっていました。

中医学では健康状態を確認する1つの手段として、舌を観察しています。舌の状態でわかることは、血液の状態、水分代謝の状態、元気の状態など様々な情報が得られます。

健康な人の舌は、舌全体がきれいなピンク色をしていて、全体にうっすらと白い舌苔が生えています。

比べてぽってりと厚い舌や、舌が大きいために両側に歯型のつく舌は、疲れて新陳代謝が低下し、水分代謝も悪くなってむくんだ状態を表します。いわゆる元気が足りない気虚の舌です。白っぽい舌は冷えからきているのかもしれません。冷たいものは控えて朝ごはんを抜かずに食べ、今の時期はむくみによい春野菜を選びましょう。

舌は自分でも簡単に見れるので、日ごろの健康バロメーターにおススメです。


〜わたしへのごはん〜

そら豆のフライパンチーズ焼き

春は青を食べる。薬膳では旬の山菜や緑野菜を摂ると、冬に溜め込んだ老廃物をデトックスすると先人から受け継いだ知恵として伝えられています。加えて、そら豆はむくみに作用する季節の野菜なので、旬のものを朝ごはんの一品に登場させてみては。

〈材料:ひとり分〉

そら豆10粒くらい とろけるチーズ30g オリーブオイル大さじ1 塩ひとつまみ 黒胡椒お好みで

〈作り方〉

1.そら豆をさやから出し水洗いをして軽く水気を取る。

2.20センチ位の小さめのフライパンにオリーブオイルをいれ弱火にする。

3.2にそら豆を重ならないように並べ蓋をして3分蒸し焼きにする。

4.3分経ったら3の蓋をあけ、そら豆を裏返し蓋をして3分蒸し焼きにする。

5.4の蓋をとり、とろけるチーズをそら豆にふりかけ溶かしすばやく絡める。

6.熱いうちに5を器に移し、好みで塩、黒胡椒を上からかける。


むくみの薬:そら豆


薬膳では青い豆類には胃腸の機能を高め、体の余分な水分を取り除く作用があり、むくみや湿度からくる胃の不調に有効とされています。


引き締めの薬:チーズ

気を補う牛乳が発酵することで加わる酸味は、薬膳では筋肉を引き締め、身体から不要な血液が出過ぎるのを防ぐ収斂作用を持ちます。乾きを潤し、ストレスの軽減や黄疸などにも効果があるとされています。



わたしを整える食のアドバイザー

河村千影

はちみつ料理研究家。一般社団法人日本はちみつマイスター協会副理事長。漢方スタイリスト。養生薬膳アドバイザー。ただ甘いだけじゃないはちみつの味わいや活用法、その健康や美容への効果などを協会主催の講座やワークショップ、薬膳料理教室、カルチャーセンターで教えている。はちみつと薬膳をかけ合わせた料理を提案。

レシピ掲載『aromatopia』No156(フレグランスジャーナル社)『リンネル』2020年5月、6月号(宝島社) テレビ朝日『食彩の王国』2021年6月5日放送はちみつ特集/家庭料理担当

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