家での楽しい時間を「日本ワイン」で繋がりませんか?
ワンスタイリスト大野明日香さんの呼びかけで、SNSで始まった「日本ワインリレー」。
ワインで繋がった人の輪、ワインの輪は、きっとこれからの時間と空間を豊かにするはず!ってことで、ソムリエ、酒屋、ライターなどワインを扱う人をゴッタにして、飲み手の皆様の楽しい時間を作るワインを改めてお伝えしていきます。
※投稿の順ではなく順不同で掲載しております。※掲載にあたり、編集部で一部校正をしておりますことご了承ください。
ワインのバトン:レカングループ・エグゼクティブソムリエ 宇佐美晋也さん
私が勤務する銀座レカンはクラシックフレンチのお店ですが、日本のワインもオンリストしております(意外に思われる方多いですが)。というのも今ではワインテイスターとして世界中を飛び回っている前シェフソムリエの大越さんは日本ワインに精通しておりましたし、その前の五味さんは現在勝沼でミルプランタンというご自身のお店を開いており、ご出身である山梨県のワイン産業を盛り上げようとされております。そのお二人に日本ワインをしっかり学ぶことができました。
そんな私から、今回ご紹介するのはシャトーメルシャンの「甲州グリ・ド・グリ」。大手ワインメーカーではありますが、日本ワインを語る上で重要な位置付けであるメルシャン。
ご自宅で手に入りやすく面白いワインは何かを考えたらこちらにたどり着きました。
数あるラインナップの中で個性的なのがこの甲州グリ・ド・グリ。日本固有品種である甲州とスキンコンタクト(赤ワインのように果皮、種を漬け込む白ワインの醸造法)由来の特徴がしっかり表現されています。甲州の一つの方向性を示しているワインだと思います。
果皮が薄紫色の甲州はスキンコンタクトするとやや濃いめ色調になります。こちらは綺麗な琥珀色ですね。タルトタタンやアッサムティー、バラのポプリなどの優しい香り。柔らかい質感の中に旨味とほろ苦さの感じられる味わいは、甲州らしい繊細さと造りからのしっかりとした要素が感じられます。
この個性を活かしたご家庭でのペアリングとして、チキンカツに旬のお野菜、筍とアスパラガスをシンプルにソテーしたものを添えて。繊細な鶏胸肉の肉質とカツの油をワインの旨味と心地よい渋味が良い具合に切ってくれます。調味料としてソースもいいですがマスタードの方がバランス良かったですね。また筍との相性はとてもよく、筍の風味を引き上げてくれます。
こちらの勝沼ワイナリーはワインツーリズムを意識した体験型のワイナリー。見学ツアーやカフェを併設したワインショップなどがあります。都心からでもすぐ行けて日帰りでも充分楽しめるので何回か伺っております。運が良ければワイナリー限定のワインも購入可能。実はこのグリ・ド・グリも何年か前に行った時に購入した無濾過のタイプ。これも現地を訪れる魅力の一つですね。
外出できず不自由な生活が続いております。そんな中で考える事は状況が落ち着いたら思いっきり外出できる自由を満喫したい、ではないでしょうか。その候補地にぜひ加えていただければと思います。目標を設定して、その計画を立てながらワインを飲んでいただくのも、楽しい時間になると思います。
宇佐美晋也さん
クラッシックフレンチの名店、銀座レカンでエグゼクティブソムリエを務める。
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