きょうは、なに聴く?vol.10

自由が丘でcafeイカニカを営む、元音楽プロデューサーの平井康二氏による連載。音楽もまた、出会うもの。

きょうの曲:Horizonte/Eliane Elias

 どこの国だか忘れてしまったけれど、海外のサッカーの試合をテレビで見ていたら、選手の名前がみんな似通っていて、よく間違わないなぁなんて感心していたのだけれど、よく考えると日本人の名前だって、中田と田中と武田と高田がチームにいたら外国の人からしたら誰が誰だかわからないだろうなぁ、きっと、と考えを改める。

 海外のミュージシャンの名前もなかなか覚えられない人が多いみたいですけど、僕の場合、ミュージシャンやアーティストの名前は、不思議とすんなり覚えてしまう。よくありがちな名前が羅列されているミュージシャンやスタッフのクレジットなんかも、わりとすぐに記憶できる。MichaelとかTomとかJamesとかKeithとかDianaとかSteveとか。そんなのも、大丈夫、ちゃんと区別して覚えてる。でも、基本的に輸入盤しか買わないので、カタカナにされると途端に頭に入ってこなくなります。僕はアルファベットの並びを記号というか字面で覚えているのだと、ある時、気づきました。同時になんて読むのか分からない人が沢山いることも。でも、他人に話さない限り、読みがわからなくても、ただ覚えるということには支障はないのです。しかし、それだとやっぱり不便。最近何かオススメある?なんて聞かれた時に、頭の中では名前が浮かんでいるのに口に出せない。突然筆談するのもおかしい。

 今回のこの人も、正確になんて読むのかしばらくわからずに過ごしてきた一人。

Eliane Elias 。ん〜ん、字面としては美しく覚えやすい。でも、なんて読むんだ?分からない。ある時、雑誌でイリアーヌとして紹介されていて、それがEliane Elias のことだとは分からなかったくらい。たぶん、イリアーヌイリアスとか、エリアスとかなんだろうけど、日本のレコード会社の人も分かりづらいからイリアーヌだけにしちゃえ、と思ったのかはわかりませんが、今はイリアーヌといえばEliane Elias のことだと通じます。

 この人、名前の字面も美しいですが、ビジュアルも相当に美人で、ピアノも上手い、声も素敵。なので、周りのミュージシャンにモテる模様。最初知った時は、Randy Breckerの奥さんだったのですが、その後Marc Johnsonの奥さんになっていました。どちらもジャズ界では超一流有名人。次は誰?って想像してしまいます。音楽的には、ブラジルベースのジャズです、ってザックリ乱暴な紹介ですね。でも、美人で、ピアノ上手くて、いい声で、超一流にモテる、その情報だけで十分聴きたくなりますよね。


Horizonte/Eliane Elias

https://www.youtube.com/watch?v=ubBpZAk52Bg


平井康二(cafeイカニカ オーナー)

1967年生まれ。レコード会社、音楽プロダクション、音楽出版社、自主レーベル主宰など、約20年に渡り、音楽業界にて仕事をする。2009年、cafeイカニカをオープン。現在に至る。

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