今日のわたしは何たべる?vol.4 春は青

今日、今、ひとつ。

今たべるものが明日のわたしをつくるもと。自分の心と身体にきいてみて、今日のひとつを選んでみる。ねえ、わたし。何たべたい?

その問いに薬膳の観点から答えます。

春は青を食べる

〜今日のわたしの声〜

桜が散り4月になっても肌寒い日が続いたり汗ばむ時があったりして、着る服に悩んだり朝ぼうっとして身支度にも時間がかかるんですよね。気分が本調子じゃないというか。いつまでも眠りたい感じなんです……。


■今日のテーマは「デトックス」

陽気が増す春。寒さで固まった身体も心もだんだんとゆるみ始めますが、季節に追いつけずなんとなくだるい、感情や情緒に波があるなと感じたりする人が多いかもしれません。

山菜や春野菜をメニューに加え、春特有な自律神経の乱れをやわらげてみてください。

新陳代謝が高まり、細胞が活性化する春は、冬に溜まった余分なものを排出して次に来る夏の暑さに備えます。


〜わたしへのごはん〜

春キャベツと木の芽みそ

春キャベツを入手したら、まず生で歯ごたえと甘味を楽しみ、さっと炒めたり、湯がいたりして旬を満喫したいものです。今日の晩は、木の芽みそを付けておつまみにどうぞ。

調味料のはちみつに含まれる果糖はアルコールの分解を助け二日酔いになりにくくしてくれます。木の芽の香りと苦味を加えたはちみつみそは冷蔵庫で5日間は保存可能ですので、蒸したとり肉や白身魚に添えて、オリーブオイルをまわしかけていただいても。

〈材料:二人分〉

木の芽(山椒の葉)10枚くらい みそ(お好みの)30g はちみつ(色の明るい)大さじ1 

春キャベツ2枚ほど

〈作り方〉

1.キャベツは洗い水気をふき食べやすい大きさに手でちぎる。

2.木の芽はすり鉢でする。すり鉢がない場合は細かくみじん切りにする。

3.小さいボールにみそ、はちみつを入れよく混ぜる。

4.3に2を加えよく混ぜる。

5.皿にキャベツを盛り、木の芽みそを添え、付けていただく。


季節の薬:春は青。五行の色を意識して取り入れて。

季節や色、臓器、味覚。薬膳の考え方を五つで体系づけて記憶しやすくし生活に採りいれやすくするのが五行説。春は青い旬の野菜や山菜などを食べて肝を労り、自律神経の乱れを改善する季節と先人の教えを受け継いでいるのが薬膳です。夏は赤、長夏は黄、秋は白、冬は黒と季節ごとに摂るべき食材を五行で表しています。


肝の薬:木の芽で解毒

薬膳で肝の養生とは、肝臓の器官のみならず自律神経や目、筋肉、感情や情緒のコントロールも示し、身体のシステム的な役割を担う部分の不調をあらかじめ青い食べ物で補うよう心がけることです。山椒の葉は解毒作用があり、はちみつとみそを合わせ食べやすいタレにしてごはんやお酒のお供にしましょう。

わたしを整える食のアドバイザー

河村千影

はちみつ料理研究家。一般社団法人日本はちみつマイスター協会副理事長。漢方スタイリスト。養生薬膳アドバイザー。ただ甘いだけじゃないはちみつの味わいや活用法、その健康や美容への効果などを協会主催の講座やワークショップ、薬膳料理教室、カルチャーセンターで教えている。はちみつと薬膳をかけ合わせた料理を提案。

レシピ掲載『aromatopia』No156(フレグランスジャーナル社)『リンネル』2020年5月、6月号(宝島社)

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