今日、今、ひとつ。
今たべるものが明日のわたしをつくるもと。
自分の心と身体にきいてみて、今日のひとつを選んでみる。ねえ、わたし。何たべたい?
その問いに薬膳の観点から答えます。
冬だから、黒をたべる
〜今日のわたしの声〜
とにかく冷える。引っ越してから初めての冬を迎えた家は底冷えがひどくて。普段でもどちらかというと冷え性なので、家でも腰にやや大きめのホッカイロを貼っています。来客があれば換気をこまめにするため暖房はつい高めの温度に設定しているから、乾燥も気になって。なかなか外にも出られないし、身体がだいぶなまっていると思うんです。
■今日のテーマは「冬と冷え」
寒い冬は『腎』の健康を考える季節。寒さによって衰えた生理活動を維持し、動きが活発になる春に備えるために、生命力と免疫力の源になる『腎』の働きを助ける黒い食材を摂ると良いと、薬膳では先人の知恵を受け継いでいます。色の五行でいうと、冬は黒を表します。
寒さでおしりも冷たい、今日のわたしに。
〜わたしへのごはん〜
黒キクラゲと海老団子のピリ辛ひとり鍋
水分の代謝を促す昆布で出汁をとり、具材の鉄分豊富な黒キクラゲがホルモンバランスを整え血流をめぐらせ、調味にも血行促進する辛味をプラスで身体を温めて。
〈材料:おおむね、ひとり分〉
昆布出汁600cc(20㎝位の昆布1枚を酒大さじ2+水約600ccに2時間〜ひと晩漬けておく)白出汁(市販する濃縮のもの)大さじ3 はちみつ小さじ1 鷹の爪1本 海老7尾(バナメイ海老を酒大さじ1にさらし汚れを取る)片栗粉大さじ1 黒キクラゲ3g 豆腐小分け1丁(200g) ネギ1/2本
〈作り方〉
1.黒キクラゲを30分ほど水に浸して戻し、固い部分があれば手でちぎり取る。ネギは小口切りにする。
2.海老は殻をむき背わたを取り、荒めに刻んでボールに移す。海老に片栗粉をまぶして混ぜる。
3.2の海老を四等分にしてそれぞれ丸め団子にする。
4.小さめの鍋に昆布出汁を入れ沸騰したら中火にし鷹の爪、白出汁を入れ黒キクラゲを加える。
5.4に丸めた海老を入れ3分程煮る。海老団子が赤くなったら豆腐を入れ、はちみつをまわしかけ鍋全体の味をなじませる。ネギをちらす。
冬の薬:冬は黒
黒い食材としてオススメなのが黒。乾物は、思い立ったらすぐ使えるように。
黒キクラゲひとり分3gは乾物状態で5、6個が目安です。水に戻すと見た感じ三倍量が増します。使いかけでストックしがちな乾物の黒キクラゲはひと袋15g分を水で戻し、水気を切って冷凍用保存袋に入れ冷凍しておくと便利。
冷えの薬:海老は体を温める
食べ物には、熱〜温〜平〜涼〜寒と身体を温めたり冷やしたりする五性があります。海老は温性。おせち料理の彩りやおめでたい食べ物でもある海老は一年中美味しいけれど、寒い季節に食べると温まり身体も喜びます。
わたしを整える食のアドバイザー
河村千影さん
はちみつ料理研究家。一般社団法人日本はちみつマイスター協会副理事長。漢方スタイリスト。養生薬膳アドバイザー。ただ甘いだけじゃないはちみつの味わいや活用法、その健康や美容への効果などを協会主催の講座やワークショップ、薬膳料理教室、カルチャーセンターで教えている。はちみつと薬膳をかけ合わせた料理を提案。
レシピ掲載『aromatopia』No156(フレグランスジャーナル社)『リンネル』2020年5月、6月号(宝島社)
0コメント